MENU

ライトライン開業後半年の利用状況を見てみよう

ライトラインが2月26日に開業から半年を迎えました。ラッピング車両の追加、200万人達成、初年度黒字見込み、快速列車の導入など話題の絶えない半年間でしたね。先日、利用状況について(株)宇都宮ライトレールから詳細な資料が出ましたので、詳しく見ていきましょう。

あわせて読みたい
開業半年間のご利用状況について | 宇都宮ライトレール 宇都宮ライトレール株式会社の公式サイト。運行状況・時刻表・停留場の情報などをご案内します。
目次

利用者は予想の1.2倍の227万人

当初の予想を大きく上回った利用者数となっています。平日利用はおおむね予想通り。日が予想の2倍以上をキープし続けた点が大きく影響しています。

休日の利用者が多い理由

当初は自家用車を持つ人たちがわざわざLRTに切り替えないだろうと予想されていました。そのため、当初の予測自体も1日4,000人程度と控えめの数値でした。市民からも通勤客利用以外での需要については疑問視する声が聞かれました。

ところが開業後は休日にはベルモールを中心として利用者が激増し、満員で乗れない状況が相次ぐという嬉しい誤算となりました。開業直後の需要は新規路線の珍しさゆえでした。半年経った現在は東宿郷~陽東3丁目間の急速なマンション開発により、沿線住民がベルモール宇都宮駅への移動に利用しています。少しずつ日常利用が定着しつつあるようです。

驚くべき点はいわゆる開業直後の需要だけではなく、半年経過した現在も県外からの観光需要がある点です。電車好きな方々だけではなく、家族連れでライトライン目当てに訪問していただけるのは嬉しいです。平石で定期開催されている見学会も高倍率で人気を博しています。

プロスポーツチームも利用を後押し

B1の宇都宮ブレックス、J2の栃木SCの2チームがラッピング車両の導入、沿線地域での試合開催など少なからずLRT利用者増加に貢献していたと言えるでしょう。

宇都宮ブレックスは駅東公園電停から徒歩圏内に本拠地のブレックスアリーナを構えています。駐車場が少なく、試合日には近辺の有料駐車場が埋まってしまうことが多い人気チームです。ライトライン開業後は平石電停などのトランジットセンターに駐車し、ライトラインで会場まで向かう人も増えました。また、ベルモールにも大型駐車場があります。ライトラインで試合会場まで移動し、終了後に施設で1,000円以上食事・買い物をすれば5時間無料となります。このような今までにはなかった新たな需要も生まれているようです。

栃木SCの本拠地はカンセキスタジアムですが、昨年はグリーンスタジアムでの開催も数回ありました。その際にはグリーンスタジアム前電停行きの臨時便が出ており、観客輸送に貢献していました。

下野新聞デジタル
LRT栃木SC-ジェフ千葉戦で3便増 利用者多い時間帯に配分 前回増便の教訓生かす|下野新聞デジタル 次世代型路面電車(LRT)の宇都宮芳賀ライトレール線を運行する宇都宮ライトレールは16日、県グリーンスタジアムで行われるサッカーJ2の栃木SC-ジェフユナイテッド...

平日と休日で大きく変わる利用状況

開業半年-ご利用状況についてより

平日は遠距離利用が大半

平日は宇都宮駅東口から、清原工業団地と芳賀・高根沢工業団地に向かう通勤客が多くを占めています。高校、大学も沿線にありますが、通学需要はそこまで多くはありません。やはり、学校は駅の西側に大規模校が集中しているためでしょう。

駅名だけ見るとなぜグリーンスタジアム前かしの森公園前電停の利用者がいずれも1000人超と多いのか県外の方は疑問に思うかもしれません。

グリーンスタジアム前電停はキヤノン、カルビー、久光製薬などの工場の最寄りとなっているので多くの通勤客が利用しているのです。また、かしの森公園前電停は本田技研工業の最寄りとなってます。敷地面積が広大であり、終点まで乗らずに1つ前のかしの森で降車したほうが早い従業員はこちらを利用しているようです。

休日は短距離利用が中心

なんといっても宇都宮駅東口から宇都宮大学陽東キャンパス前電停の利用者が多いです。バスでは280円かかるところがLRTでは150円です。1時間に5本ペースで出ているので、すでに買い物客の足として定着しています。ベルモール周辺はライトライン開業後に人の流れが大きく増えたことで話題となっていました。

そして休日はベルモールより東側は利用客が一気に減ります。しかし、よく見ると平石飛山城跡清原地区市民センター前電停などは利用者が意外と多いです。これらの電停には駐車場が設けられているためパーク&ライド利用者が多いためです。パーク&ライドは駐車場も増設される予定です。予想よりも多くの人に利用され、うまく機能していると言えるでしょう。

宇都宮市資料より「トランジットセンター利用イメージ」

本田技研工業へのLRT利用が加速している?

LRT開通前は本田技研工業への通勤バスの利用者は約1,200人でした(下野新聞社記事より)。

先日のLRT利用状況を見るとかしの森公園前電停の平日利用者が1,400人,芳賀・高根沢工業団地電停が2,600人で合計4,000人です。往復で考えると2,000人がLRTを利用していることになります。上記2つの電停は周囲に本田技研工業以外にほとんど何もない地域です。また、かしの森公園もかなり小規模の公園でライトラインで来る人も少ないです。観光目的で終点まで乗り通している人も多少いるでしょうが、LRT開通をきっかけに車通勤からLRTに切り替えた方も一定数いるのではないでしょうか。

定期利用で運賃は4割引きになりますが、本田技研工業がLRT収入の主軸になっていることは言うまでもありません。


初年度黒字見込みが見えている現状で、ここからどのように利用客を伸ばしていくか?4月にダイヤ改正も行われるため、これを機に利用者が増えると嬉しいですね。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

2022年に宇都宮市に移住。変わりゆく街の様子や地域のトピックを気の向くままに記事にまとめています。

目次