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祝利用者500万人!LRTで宇都宮はどう変わったか

2024年8月26日にライトラインは1周年を迎え、利用者累計500万人を達成しました。LRTがどのような変化をもたらしたのか?主観的な内容多めで解説します。

普段は客観的な数値などのデータを用いて記事を書くことが多いですが、本記事ではあえて主観的な「自分目線で見た宇都宮市の変化」を書き記していきます。ニュース映像だけでは決して伝わらないであろう宇都宮市の変化を紹介します。

目次

宇都宮駅東口が賑やかになった

現在の宇都宮駅東口通路

ウツノミヤテラス開業

自分が宇都宮市に移住した2022年春。この時は駅東口通路は工事中で塞がれていました。その後、工事が終わりウツノミヤテラスや複数の施設がLRT開業の1年前にオープンしました。

ウツノミヤテラス自体は店舗数はそこまで多くはなく、当初は空きテナントも多かったですが、今はだいぶ埋まってきています。

では、ウツノミヤテラスだけのおかげで東口に人が集まるようになったのかというと実はそういう訳ではありません。もう一つの要因として宮みらいライトヒルの存在が大きいと思います。

ゆっくり時間を過ごせる宮みらいライトヒル

「宮みらいライトヒル」と聞いてなんだそれ?という方も多いと思います。自分もそうです。記事を書くにあたって改めて名前を調べました。市民の方なら写真を見ればわかると思うのでご覧ください。

「大階段」と呼んでいる人が多いと思います。学生や子供連れなど老若男女が休憩したり各々自由な時間を過ごしています。この大階段と上下のフロアを合わせて宮みらいライトヒル(宇都宮駅東口交流広場)と言うそうです。この空間のおかげで今まではただの交通機関の一部であった宇都宮駅が憩いの場に変化し、駅周辺での滞在時間が大きく増えたと感じます。

宮みらいライトヒルの夜の様子

暖かさのある照明でライトアップされた夜の宮みらいライトヒルも昼間とはまた違った光景で非常に綺麗です。近くに飲み屋街が立地しているにも関わらず、そこまで騒がしくないのもいいですね。そしてライトライン開業により、宇都宮駅東口は完成したのです。

ライトライン×飲酒イベントは相性抜群

これは開業1周年記念ではなく、普通の週末である5月26日に行われた「SAKE TO SAKE」イベント時の様子です。多様な日本酒が飲めることもあり、想像を超える賑いでした。

車社会の宇都宮市ではこのような飲酒イベントはふらっと来て楽しむには誰かに運転をお願いしたり、バスで来なければいけない煩わしさありました。しかし、ライトライン開通により帰宅手段を気にする必要がなくなり幅広い範囲からの集客に成功しています。

このようなイベントが定期的に行われるようになり、本当に宇都宮駅東口が賑やかな場に生まれ変わりました。今後は駅西口も大規模な開発が予定されており、そちらにも期待が集まります。最後に昔の駅東口を知らなかったのでXから引用させていただきます。

市内への移住者が増えた

ライトライン開業前から移住の問い合わせ件数は増加傾向が続いています。実際に移住した人も増えています。テレビで宇都宮市のCMをやっているくらいなので、市としても力を注いでいる分野だと思います。

なぜ移住する人が増えているのか?

自分も都内から移住で宇都宮市に来たので、この点はよく理解できます。リモート勤務だったり、宇都宮支社への通勤が続けられる企業では給与はそのままで移住している方もいるかと思います。物価は都内とあまり変わらない(野菜は少し安いかなという程度)ですが住居については驚くほど安いんですよね。賃貸、戸建て、マンションいずれも都内の半額以下です。

例えば都内で2LDKを借りる家賃で、宇都宮市内なら4LDKの戸建て一軒家に住めます。マジです。都内への通勤などで移住前と給与が変わらなければ単純に可処分所得が増えるので、生活に非常に余裕が出てきます。

「車を買ったりするから結局お金がかかるんじゃない?」という懸念もあると思いますが、LRTがすべて解決してくれました。LRT沿線ならショッピング、映画館、ホームセンター、スポーツ観戦など日常生活に困ることはありません。

ただ、自分の場合は現在はLRT沿線に住んでいるわけではないので、通勤では使っていません。それでも、宇都宮の中心地はコンパクトな造りになっているので自転車で街中を移動できてしまいます。そのため、平日は自家用車は使わずとも不便を感じません。

ライトライン沿線の人気

LRT沿線の人口は増加している(引用元

県内外の移住者がどこを移住先に選んでいるかという具体的な情報はさすがに調べても出てきません。しかし、駅東側に移住者が多いことは移住者コミュニティや地元の不動産会社からの情報である程度は知ることができます。

「駅東公園電停」周辺のマンション人気

駅東公園前電停の様子

県外からの移住者、特に40~50代の層には駅東公園周辺が非常に人気となっています。この一帯は新築マンションが次々に建設されており、この5年で風景も大きく変わった地域です。今なお、建設中のマンションもあります。電停徒歩5分以内のマンションは検索サイトでもアクセスが多く、特に人気が高くなっています。

好立地でも3000万円台前半から購入できるため、中高年層の方はローンを組まずに一括で購入する方も多いようです。宇都宮駅付近のマンションほどではありませんが、リセールバリューが高い点も一定の評価を得ているようです。

宇都宮駅東口~陽東キャンパス前までの定期券を買ってしまえば、宇都宮駅にもベルモールにも5分前後で行けるので日常生活に困ることはないでしょう。カルナ駅東店もリニューアルされて、買い物がより便利になりました。

一方で最寄りの電停から徒歩10分を超えている新築マンションは空き部屋が目立ち、緩やかに価格が下がっています。自宅に届くチラシでも2000万円台の物件を見かけますが、これはまたの機会に紹介します。

地価がどんどん上がる「ゆいの杜」

「ゆいの杜」清原工業団地にも芳賀・高根沢工業団地にもアクセスしやすい好立地です。工業団地内には通常の家は立てることができないため、自然とゆいの杜に人が集まってきます。清原工業団地の西側には鬼怒川が南北方向に走っており増水・氾濫リスクがあります。その点からも標高が高めに位置する「ゆいの杜」は人気があります。

ゆいの杜はまさに地方都市の幹線道路沿いといった街並みです。スーパー、コンビニ、家電量販店、ホームセンター、カフェ、レストラン等が立ち並んでいます。一つの街が出来上がっているこの地域の幹線道路の真ん中をLRTが貫いています。国内では珍しい光景です。

ゆいの杜中央電停の夕景

ゆいの杜は駅東公園周辺等は対照的に戸建住宅や賃貸の人気が強いエリアです。会社勤務では異動を伴うこともあり、賃貸物件は根強い人気があります。地価上昇率が高くなっているとはいえ、駅東側の東宿郷~陽東と比べると郊外に立地しており安価となっています。戸建てで50坪以上の土地を探している移住者にはうってつけのエリアです。LRTも車も両方とも利用したい人向けと言えるでしょう。

主な電停付近の地価公示価格

峰電停 南(峰2丁目11-13) 77,400円(変動率 +0.4%)[住宅地]
陽東C前電停 北東(陽東5丁目17-37) 79,800円(〃 +4.3%)[住宅地]
平石電停 西(陽東8丁目8-8) 81,700円(〃 +4.1%)[住宅地]
ゆいの杜西電停 北(4丁目2-32) 59,800円(〃 +2.9%)[商業地]
ゆいの杜中央電停 北(4丁目21-7)66,300円(〃 +7.5%)[住宅地]

ゆいの杜小学校は市内最大のマンモス校に

日本経済新聞
宇都宮LRT、沿線にマンモス小中学校 教育界にも新風 - 日本経済新聞 宇都宮市と栃木県芳賀町を結ぶ次世代型路面電車(LRT、ライトライン)の開業により地元の教育界にも新たな風が吹いている。沿線開発に伴い3年前に新設された市立小学校が市...

鬼怒通りの交通マナーの向上

これこそ主観的でデータはないのですが、同じように思っている方は多いのではないでしょうか?新4号ではとんでもないスピードを(おそらく)出しているであろう車も鬼怒通りではおとなしいのです。ライトラインと並走していると気が引き締まるというか、普段よりみなさん警戒して運転しているのではないでしょうか。

LRT新規路線ということもあり、軌道内には乗用車が侵入しないような設計になっています。特に直進車と右折車のタイミングが完全に分離されたので、より安全に右折ができるようになりました。ただし、待ち時間は増えたのでベルモール付近の渋滞は相変わらずですけどね。

また、地元の高齢者の間で「鬼怒通りは怖くて車で通らなくなった」という声を聞きます。これは決して悪い流れとは思いません。むしろ非常に大事なことですね。運転に自信がない方が運転を控えるきっかけになったのではないでしょうか。鬼怒通りを避けて他所で事故を起こしては意味がないので、常に安全を意識して運転しましょう。

乗用車とLRTの接触事故は開業当初は多かったものの、最近は頻度が減りました。そして分かったことはどんなに標識等で注意を促しても、それらを見ていない車には意味がないということです。これまでにLRT関連の事故で幸いにも怪我人がいなかったのは奇跡的です。

驚愕の軌道内侵入2例

まさかの東口駅前まで侵入
飛山城跡付近に軽トラ侵入

過去のLRT接触事故については別記事で詳しくまとめています。


今後、まだまだ需要は伸びるであろうライトライン。最初の1年間で街並みだけでなく市民ライフスタイルも変えてくれました。次の1年間ではどのような変化をもたらしてくれるのでしょうか。小さな変化を楽しみながら、今後もライトライン沿線の状況を記していこうと思います。

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この記事を書いた人

2022年に宇都宮市に移住。変わりゆく街の様子や地域のトピックを気の向くままに記事にまとめています。

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